 
産地や素材など様々な要因によって変わってくるものの、絨毯は一般的に結び目が小さく、目が詰まっている方が高級とされています。
織工の家に生まれた子供達は、10歳前後から母親に習って織り始めますが、一人前の織工となるには早くても1年、通常2〜3年が必要。彼女達は、精密な方眼紙に下絵として描かれたデザインをもとに、大きなものになると数年という気の遠くなるような時間をかけて、一本一本の糸を結び、じっくりと丁寧に織り上げていくのです。

移動生活に適した水平織機
移動を繰り返す遊牧民族によって使用されている織機。経糸を張った横材を支える柱の代わりに地面に木片を打ち込んで固定し、縦糸は三脚状に組まれた棒からつるされます。組み立てが簡単で、移動の時もラクダの背や車の荷台に載せられますが、大きな絨毯を作るのには適さないため、作られる絨毯のサイズは、一辺の長さが最大でも120cm程度までとなっています。
定住した遊牧民が使う垂直織機
一方、オアシスに定住した遊牧民族や、都市や村の織工によって使用されているのが垂直織機です。上下2本の横木の長さに合わせて、両側に立てる柱を固定するため、移動生活には適さないものの、横木の長さを調整することで、幅広いおおきな絨毯を織ることが可能です。しかし、水平織機も垂直織機もその構造原理は極めて簡単で、現代のものも古代エジプトで使用されていた最古の織機の形式と、ほとんど変わらないと言われています。
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